沖幸子イメージ
仕事人秘録
日経産業新聞連載

 新たな家事の形探るG

   フラオ グルッペは現在、個人契約に特化したサービスを展開している。。
   
   
創業から8年ほど経過した1995年ごろには、大口の法人契約も獲得できるようになり
  ました。具体的にはマンション1棟の外観をクリーニングすることなどが主な仕事内容で
  す。年間を通しての固定収入はベンチャー企業の経営者にとっては実にありがたいです。
  しかし、数少ない大口顧客からの収入に依存することは大きなリスクになります。
   
   2000年には年間2800万円の大口契約を一方的に打ち切られた経験がありました。こ
  の時はあまりの収入の激減に背筋が凍る思いをしました。ただ、我が社は多くの個人の
  お客様から現金収入を頂いていたおかげで、倒産せずに済みました。個人のお客様を大
  事にし、一生懸命取り組んだ仕事の対価として、たとえ少額でも安定的な現金収入を確
  保する。この時以来、法人契約には手を出さないようにしています。
  

  
 審議会でVB支援策議論
 
   
沖氏は多忙な仕事の合間に、中小企業などの支援にも尽力してきた。
  
 99年に当時の小渕恵三首相から中小企業政策審議会の委員に任命され、中小企業の
   振興やベンチャー支援の方向性について、最低で年3回程度は通商産業省(現経済産
   業省)に集まって議論していくことになりました。
    新規事業を育成するにはどうすればいいか。かんかんがくがくの議論が交わされました
   が、私は自分の体験から起業する際の煩雑な手続きを簡便にすることがもっとも大事だ
   確信していました。
    ですから、最低資本金規制の特例制度が03年2月1日に導入された際には本当に達成
   感がありました。この改革の意味を簡潔に表現すれば、株式会社をたった1円で設立でき
   るようになったということです。あれから7年余りがすぎ、リスクテイクを恐れて安定ばかり
   を追い求める若者が増えていろことが気になります。日常の至る所に転がっているビジネ
   スの種を生かして果敢に挑戦し続けてほしいと思います。
    私自身にもこんごの目標があります。それは現在、掃除が主体の事業内容を家事全般
   にまで拡大することです。もちろん、個人向けセミナーも今まで以上に開催し、多くの方に
   家事を楽しむコツを知っていただき、最終的には家事のステータス自体を引き上げたい。
    これからもスタッフ全員と日々成長しながら、創業当時に掲げた目標を達成するまで走り
   続けたいと考えています。  (聞き手は西根千博)
                                        (2010.12.27 日経産業新聞)

 


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