沖幸子イメージ
日本人と卓袱台(ちゃぶ台)

卓袱台をご存知でしょうか。
昭和の時代、一家の中心的存在でもあった食卓のこと。
角がなく丸いので、家族全員が身体を触れ合うように丸く座れば、家族のふれあいや温かみが自然と感じられる優れものです。
今のように物も食べ物も豊富でない時代、卓袱台の真ん中のおなべを皆でつつきながらの夕餉の時間。
家族同士、今日一日の出来事を話しながらにぎやかに卓袱台を囲んで食事をする。
食事が終われば、子供たちの勉強机になり、夫婦の家計の相談机にもなります。
夜は、足を折りたたんで壁に立てかければ、部屋が広く使えて場所をとりません。
卓袱台は家族の歴史でもあり、思いやりの声をかける生活の場でもあったのです。
今の日本の家庭に卓袱台の姿が見えなくなったのはいつごろからなのでしょうか。
あの頃の庶民の家庭のシンボルでもあった卓袱台。
家族同士のお互いの温かい思いやりや隣人の人たちとのふれあいや連帯が生まれたのも卓袱台の存在抜きにして語れないのです。
今一度、日本人の“卓袱台の団欒”を見つめなおす時期かもしれません。

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