沖幸子イメージ
掃除力について
掃除力という言葉がはやっています。
何にでも「力」をつければいいという考えはいかがなものかと思いますが、掃除という言葉が話題になり、みんなが掃除に関心を持って、日本中がきれいになることはいいことだと考えることにしています。
昔から、トイレの掃除は心を磨くといって、お寺の修行にも取り入れられていました。
私は、掃除会社を始めて今年でやっと20年になりますが、最初に会社をスタートしたばかりの頃は、掃除代行や家事代行と呼ばれ、今のようにハウスクリーニングサービスと横文字で言われるような前途有望産業ではありませんでした。
掃除といえば、それこそ3K(きつい、汚い、暗い)のビジネスで、誰にも関心を持ってもらえず、相手にされないほどでした。
最初の三年は、私も何百件と他人のトイレやキッチンを磨きに駆けずり回りました。
最初の頃は、他人の汚したトイレを磨くことは一心不乱に心を磨いているような気にならなければできませんでした。
20年という時の流れは、人間の生活の価値を“もの”から“質”に変えつつあるようです。そして今、物質社会から来る拝金主義に警告を鳴らす人々も増えてきました。
いま、掃除に“力”をつけ、トイレの掃除をすればお金がたまるなどという人も現れました。お金をためる目的でトイレの掃除をするのは日本人くらいのもの。
ヨーロッパでは、むしろ、トイレや水周りをいつもきれいにしておくと、健康的で心もさわやか、何事も気持ちよく取り組めるといいます。
健康的だと無駄な医療費は要らないし、心が穏やかな人生は何事も上手くいく。
だから、結果として無駄なく合理的に暮らすことができるというのです。
そろそろ日本人も欧米的質の高い合理性を生活に取り入れる時期に来たようです。


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